50歳

少し前にnoteに更新したそれです。





「父ちゃんはさ、自分のことを大人だって思う?」


30年前、20歳になりました。
自分のことを若いとも思いませんでしたし、子供だとも
思いませんでした。
でも、思っていたそれとは違ったのです。
なので訊ねました。

1992年、そんな年です。
高校2年生で20歳になりました。
いい笑いものです。


小中学生の頃、もしくは十代の頃、20歳が大人に
見えました。
でも、いざ自分がなってみるとそうは思えないのです。
幼稚園児の頃、小学生が大人に見えて、でも、いざなって
みると、そうでもなかったり。
小学生になると高学年が大人に見えて、でも、いざなって
みると同じで。

高学年の頃、中学生が大人に見えて以下同文。
以降、以下同文を繰り返し繰り返しての20歳です。

そんなことばかり考えてきた人生でした。
周りとは違うことをやってきたからなのかもしれません。
成人式は高校2年生でしたから。
2年遅れて入学した高校で、更に1年留年したら普通は
辞める(退学する)と思います。

でも、続けようと思ったのは僕が普通ではないからだと
思います。
ですが、僕の中ではそれが普通です。

なので、父に訊ねたのです。
父は僕と丁度30歳離れています。

「思わないよ。」



父は返しました。
その応えが意外でしたが、でも、とても目から鱗が落ちる
かのようにすっきりしたのを覚えています。

あの時、あの言葉があったからその後の僕は人生を有意義に
充実して過ごすことが出来たとも思っています。
25歳で、30歳で、もうそんな歳になっちまったよと
嘆くこともなく、40歳で猫背な気持ちになることなく
過ごせてきました。

あの時の父の年齢に、気持ちの視界に追いつきました。

この視界であの時の言葉をくれたのか。
そう思うと感謝です。
この30年、僕なりにその言葉があったから老け込まずに
生きてこれたからです。

「人間、死ぬまでそうなんじゃないかな。」

湯船に浸かりながら父は云いました。

50歳という年齢がまだ遠かった頃、近づいてからも
度度その時のことを思い出します。

とても大切なことを教えてもらい、この30年を振り返り、
やはり父に感謝します。