20年越しのラブレター

「今日、手紙を書いたらいいよ。」

ラブレターの話をジム生にしました。
僕が気持ちを込めて記した「それ」の話です。


もう、22年前のことになります。
息子が産まれました。
男の僕には当然産んであげること等出来ないので、
考えました。

渾身の工夫を、です。

母親ですら思い浮かばない、そして同級生になる子供の親は誰1人として
やっていないであろうことを自分が、してあげたかったのです。



産まれたその日、病院で我が子を抱いて、帰宅してテーブルに
向かいました。
渾身の気持ちを込めたラブレターを感情込めて記します。

今日という日は二度と訪れません。
明日は今日ではないからです。

生を受けたその日に、大きくなったいつかの息子宛てに書いた手紙を
大人になるまで保管して、2年前に20歳の誕生日に渡しました。

もう持ってなどいないのかもしれませんし、何も感じていないのかもしれません。
でも、僕はその更に20年後を見据えてそれをしました。
20年後には彼の子供が同じくらいか、その手前くらいになっている
でしょう。

その時に僕の気持ちが少し理解出来たらいいなと思いますが、
どうでしょう。




「真似させていただきます。」
父親になったジム生は、張り切って帰っていきました。
その日は一生に一度きりです。

 


そんな20年越しのラブレター、調べようがないので自分が最初だなんて
いいませんが、粋なことをしたなと思っています。
自分なりに色んな事を考えて行ってきました。
面白い過去は誰にも塗り替えられられないからです。
僕には大したことをしてやれないだろうから、せめて周りにはない
特別な思い出を作ってやろうと思ったのです。



行き詰った時に、その手紙を読み返して自分を励ましてきました。
過去になった自分の記した手紙がそれを渡すに至るまで、幾度も励ましてくれます。

いつか、そういう想いは伝わると思います。
娘なら泣いて喜んでくると思います。
「最高にロマンチックだと思うよ。」
20年間、彼もこれからそれを渡すいつかを目標に頑張るのでしょう。




その手紙をいつか息子に渡したいから下手糞なりに人生頑張ってこれたのだと
思っています。