食器用洗剤

これといってしていません。

石鹼で手を洗い、風呂でも身体を石鹼で洗います。
シャンプーがなければ毛髪もそれで洗います。
父を見て育った僕は、それが男らしさと大人になるまで
思っていました。

洒落っ気がついて、色気づいて一丁前にボディソープなる
ものに手を出しました。

ある時、傷口もないのにそこから異常に熱が出て腫れ上がる
ようになりました。
蜂窩織炎です。
十代後半からそれに悩まされるようになります。
以来、石鹼で洗うようになりました。

15歳から練習道具他必要な金がなければアルバイトを
してきましたが、そういうことは公にはしませんでした。
あえて働かない素振りの恰好つけです。
働いたうちには入らないとも思っていたからです。

17年前に交通事故に遭って休業に入り、自宅に泥棒が入った
ことがあります。
捕まえて、取調室で警官に調書を取られる訳ですが、
その際に職業を訊かれるのです。
半引退状態の癖に、恰好つけているみたいで本当のことを
いうのは嫌だったのです。

「仕事は?」
ちなみに、僕が悪いことをして取調室に入った訳では
ありません。
自宅に入った泥棒を捕まえただけです。

「倉庫でアルバイトしています」
「それだと無職になるね」
「なら、キックボクサーです」
「へー。プロ?」
そこから色色と質問が替わります。
悪いことをやった側ではないのでへ何を訊かれても嫌な気持ちは
しませんでしたが、寒くて震えたのを覚えています。
10月頭とはいえ、土砂降りの中外にずっといてびしょ濡れ
だったというのに、仕方ないとはいえ着替えさせてくれなかった
ものですから、そして、冷房が追い打ちをかけてくれました。

一応、リハビリ中ではありましたが、アルバイトをしていることを
公言するようになりました。
「自己陶酔ですよね」
でも、それから時を経て、ある時にインタビューでそんな言葉を
受けて、以来また口にしないようにしました。

そうですよね。
いちいち伝える必要などなく、勝手に苦労していればいいのです。
凄く凹みましたが、とても反省しました。

そんなことを記す必要はどこにもないのですが、アルバイトとの
繋がりを説明する必要があったので添える程度に記します。
中卒の15歳が出来るアルバイトといったら肉体労働か倉庫です。
他にもありますが、シフトではなく短期で入れるものは大抵
その2つです。

居酒屋もやりましたが、知らない人と話すのが本当に嫌なので
皿洗いばかりしていました。
ホールと交代だったので、他の人の順番も全部引き受けて
洗っていました。

肉体労働の場合、現場の水道に食器洗い用洗剤が置いてあります。
皿でも洗うのかと食器類を探す必要などなく、それで手を洗うのだ
ということはすぐに解釈します。
周りには何もないですから。
汚れがよく落ちるのです。
なので、手洗い用の石鹼がなくなると食器洗い用の洗剤で手を
洗います。
「それだと汚い」
そういわれたことがありますが、あなたの口にする箸先もそれで
洗っているはずです。
汚いはずがありません。

石鹸もそうです。
身体は石鹼で洗います。
父は頭髪ですら石鹼で洗うことがあり、それを男らしいと
思って育ちました。
恰好つけてボディソープなぞを使うようになります。
しかし、蜂窩織炎に悩まされるようになります。
目に見えない傷口から菌が入り、蜂に刺されたかのように
腫れ上がるからそんなような名がついたと聞きましたが、
それ以上に腫れ上がり高熱も出ます。
歩けなくもなります。

「石鹼を使いなさい」
ある時、母が云いました。
石鹸を使うようになって回数は減りましたが、追い込むと
やはりなってしまいます。
でも、ずっと石鹼で洗っています。
殺菌作用が、接見の方が、人と会うのは飛沫があるので
駄目ですが誤字です。
殺菌作用が、石鹸の方があるので使っています。


コロナ云云のせいでこんな世の中になってしまいましたが、
消毒などの話を記してみました。
脱線は毎度毎度のご愛嬌です。