大沼くん

もう10年ほど前になります。

再起してからジムに、いかつい男性が見学にきました。
東村山から着たといいます。
「東村山」
幼少期、その地名に憧れた同世代の男性は多いではないで
しょうか。
志村けんは僕ら同世代の、幼少期の頃の教祖的存在でした。

それから少しして、再び彼はやってきました。
入会するといいます。
通えるのか訊ねたら、越して着たといいます。
それが僕と大沼君との出会いでした。

仕事しながら練習に着て、たまにアマチュアの大会に出て、
キック好きの典型でした。
「二回目の青春」のお手伝いをするのが僕の仕事です。
一緒に笑い一緒に悔しがり、何を思ったか数年前退会を申し出て、
でも、ちょくちょくジムの前で会ったりはするのです。
通り過ぎる時、振り返ったりもした彼と目が合って手を振ったり。

「サインください」
いつだったか、ジムに昔のポスターとコピーを持って顔出しました。
岩手に住んでいたという当時、後楽園ホールによく観に着て
くれていたといいます。

先日、ジムにやってきました。
今度は違う、ラミネート加工した切り抜きを持ってきました。
また、やりたくなったのかなと思ったら、別れの挨拶でした。
「親父が死んで母親だけになっちゃったので」
岩手に帰るというのです。

僕に出来る何かを考えました。
そんな訳で、1日帰る前に僕のミットをプレゼントすることに
しました。
僕に出来ることなんてそんなことくらいです。
ついでに、同じ頃に在籍した元会員らにも1日プレゼントして
23日土曜日に大沼君を笑顔で帰すため送別練習をします。

勿論、その後に楽しい送別会を行う予定なので、少なければ21時
少し前に閉めるかもしれません。

選手としてもそうですが、ジムとしても通ったことを思い出に
してもらえるよう、そこを目指しています。

25日月曜日は急用ができてしまった為、お休みします。